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みどり楽器様 A-PRO-1 Ver.2 導入事例

用途:A-PRO-1 Ver.2 ROI(Region of Interest)機能の、ライブ配信での活用

最高のコストパフォーマンスで、ハイクオリティな映像配信を!

みどり楽器様 は、愛知県名古屋市にある1967年創業、地域密着型の老舗の楽器店です。
ATVとは、以前より電子楽器(ドラム/パーカッション)の販売店としてのお付き合いをさせていただいていますが、映像関係にも豊富なご経験とノウハウを持っておられます。
今回インタビューにお答えいただいたのは、みどり楽器様の店長で、様々なイベントの企画から現場までを本格的に手掛けられている近藤英生様です。
■これまでの活動やトピックスを教えてください。
 
近藤様:
楽器店の経営をしながら、自店の演奏会、ライブ等のイベントをはじめ、中部楽器協会のイベント実行委員長として、様々な企画から現場までを行っています。限られた予算ということがあり、自分自身で動くことが多く、結果、現場経験とノウハウを積み重ねる事が出来たと思います。
自店については、1995年から音楽教室を拡大し、某大手楽器メーカーとの繋がりが出来て、そのメーカーが行っているイベントのポリシー「観客のみならず演者を楽しませる」事に感銘を受け、様々なアイデアを出しながら実施していたら、そのメーカーの担当者に「うちも真似したい!」と逆に言われたほどになりました(笑)
この2年ほどは、コロナ禍の影響でリアルライブの機会が減り、ライブ配信が多くなっています。
自店での配信のきっかけはコロナ禍が始まった2020年3月に音楽スクールのコンクール全国大会が中止になり、折角つかんだファイナルステージに出られず落胆している生徒達を見て、それならとちょうどコロナ禍でホールのキャンセルが出ている事もあり、ホールを借りる事が出来、そこから自店の生徒達のファイナリストライブを配信で行った事です。元々、演奏会の撮影をマルチカメラで撮影し編集する作業は行っていましたが、配信に関してはとにかく手探りでスキルも無い中でライブ配信をする事が出来ました。
そこから、必要な映像・撮影に関しての知識を集中的に勉強し、2020年の年末は助成金なども活用し、大きな投資をして、4Kビデオカメラやスイッチャー等の機材を揃えました。当時A-PRO-1があれば1年前の投資は大分抑えられたのですが(笑)
うちは地方の小さな店なので、地域に繋がりをもって、音楽をやる人を楽しませたい、という思いで日々やっております。

■A-PRO-1を知って、導入した経緯はどのようなものだったのでしょう?
 
近藤様:
きっかけは、ATVさんからの情報です。電子楽器の販売店という関係もあってSNSでも繋がっていますので(笑)
昔は、イベントの映像は、カメラ複数台で撮影した素材を映像編集ソフトで編集してDVDなどにしていましたが、昨今ライブ配信が主流となり、スイッチャーの導入で現場でスイッチングをするようになって、後編集をする場合でも随分と楽になりましたが、まだ不便な部分がありました。例えば、発表会では、出演者の身体の大きさや演奏楽器がピアノだったりドラムだったりとまちまちなので、その度に各カメラの画合わせをする必要がありました。演奏者が交代して次の演奏が始まるまでの短い転換の間に多数のスタッフ達で慌ただしく画合わせをしていたのです。何か良い方法はないか、と思っていたところに、まるで魔法のような A-PRO-1 のこの機能(ROI機能)を知って、これだ!と思いました。でも、導入にどのくらいの費用がかかるのだろう.. と思っていたら、なんと!安かった。そして実際に導入してみたら、本当に素晴らしかった!

※A-PRO-1とは・・・
  • HDMI 2入力 2出力のAVミキサー
  • メイン入力側は低遅延(数ライン)での処理が可能
  • サブ入力側はフレームレート変換が可能
  • 全入出力にアップ/ダウンコンバーターを内蔵(4K/HDの混在が可能)
  • ROI(Region of Interest)切り出しに対応
     1台の4Kカメラ映像から任意の場所を4箇所切り出し、ズーム、パン、チルト、カットでの切り替えが可能。メイン/サブの2つの入力を別々にコントロールし、8カットの映像演出が可能。
※ROI Region of Interest)の活用例
 
4K映像から切り出した各カットはHD画質。配信には充分!
 
最近手掛けられたイベントのケース
 
※機材構成と接続
 
※現場の様子
※A-PRO-1を活用したライブ配信(動画)
https://www.youtube.com/watch?v=YrTRgNHb_MU
 
■A-PRO-1のROI機能を現場で使うにあたって、注意した点、工夫した点などを教えてください。
 
近藤様:
先ずは、カメラのレンズの選択ですね。
A-PRO-1のROI機能は、「全体カット」からの切り出しなので、どの部分を切り出してもひとつのカットとして成立するように、画質やピントに気を配る必要があります。従来は、ズームなどのカメラ操作を手動で行っていたので、今回もズーム系のレンズがあれば良いと思っていたのが、実は大間違いで、「ヒキがちゃんとしたレンズであること」が一番重要です。普通のライブハウスはそれほど広くないところが多く、被写体が近距離なので「近距離であっても引きがちゃんとしたレンズ」というのがポイントです。その為に、「レンズの勉強」は随分しましたね。今まであまり意識しなかった「引き映像」にこだわるようになった。今までビデオカメラでやっていたこととは、ちょっと「違う考え」にしなければならない、というところがあります。
 
それから、ライブハウスだと観客がいるので、カメラの設置場所を選ぶこと。三脚を立てると邪魔になるので、会場の天井に「バトン」があれば、それに吊らせてもらうのが良いですね。
 
あとは、一眼系のカメラで注意が必要なのは、長時間使用していると、熱暴走で途中で電源ダウンしてしまうことがあるというリスク。これは、静音ファンを当て続けて冷やすことで回避出来ます。

ATV:
重要なポイントありがとうございます。これからご導入される方に非常に有益な情報です。
レンズに関しては、広角でカチッと綺麗な映像であることが重要ということですね。
更に「被写界深度」が重要と思います。ピント合わせのターゲットがシビアだと、それ以外の部分を切り取って拡大した時にボケた映像になってしまうという問題。
 
近藤様:
カメラの設定もありますが、大きくはレンズに依存しますね。ピント合わせがシビア(精密)なレンズはROIには向いていない。どこを切り取ってもピチッと綺麗な映像になるレンズが必要です。
 
ATV:
ピント合わせが精密なレンズは、反面 「ボケ味」をひとつの味としているので、目的が違いますね。
なので、ROI用途ではなく、別カメラとしてボケ味を活かしたカットとして使うと、より映像的にバリエーションが出るのでしょう。

 
■A-PRO-1のメリットや、ご検討中の方へのメッセージなどありましたらお願いいたします。
 
近藤様:
メリットとしては、先ずはクオリティ面ですね。
ズーム、パン、スライドなどのカメラ操作をする時は、手動の場合、操作をする人間の熟練を要したり、或いはスライドの場合はレールという設備を要したりするのですが、これらが不要で、非常に安定した動きになります。かといって、機械的で不自然にみえる直線的な動きになるのではなく、初速とカメラの動き出しと止まり際はゆっくり、移動中は少し早めに、などごく自然な「ヒューマンな表現」が調節出来ます。
また、例えば右にパンしながらすぐに上にチルトするといった、自由自在な操作も可能になりますので、例えばスイッチングを間違って慌てて修正する時でもバレない位自然な動きが絶妙です(笑)。
 
そしてこれも重要、コスト面です。
従来は、カメラを手動で操作するスタッフが台数分必要、またレールなどの設備が必要だったのですが、そのコストが抑えられるというメリット、これは大きいですね。
A-PRO-1+StreamDeck で十数万円 今まででは考えられないようなコストパフォーマンスだと思います。
■今後の活用イメージなどを教えてください。
 
近藤様:
今後も発表会の撮影がメインになると思います。大きな会場で行う場合は、数日間で200人位出演。ソロが多いですが生徒さんご本人に先生たちが伴奏を行うバンド形態もあります。そのような時のカメラ配置は、
 
自分がいる客席から「ステージ全体をヒキ画で撮るカメラ1台」
また併せてステージ後方に出演者が出る場合全体よりズームしたカメラが必要なので「ズーム用カメラ1台」
 ⇒ ①と②をROIとして使用
手元が映るようにステージ上に1台
ホールのキャットウォークからの天井カメラ
 
今の機材だとこんなイメージをしています。A-PRO-1のROIで客席カメラ(①と②)を操作したとしても③ステージ上と④キャットウォーク側のカメラには、それぞれに操作する人をつけないといけない。ただ常に双方向で打合せしながらでは無いので自分が欲しい画角とのズレも出てくる事もあるので、自分の中では、今後A-PRO-1をもう1台追加して2台体制で、合計16カットの手元操作を目論んでいます。
 
ATV:
凄いですね!ちなみに広いホールになると遠距離のカメラも出てきますね。どのように接続されていますか?
 
近藤様:
遠距離のカメラは20m~30m位はあります。この場合は、SDI(12G)で操作席まで延ばしています。
一応50mまでは対応できるようにしています。
最初はHDMIで長距離伝送を考えていましたが伝送エラーと遅延の問題もあり、放送局等で使用しているSDI(12G)で送る事で遅延の解消ができる、スイッチャーもSDI受けできるものを選択、という形で少し高価にはなりました。
HDMIの光ケーブルの導入も考えましたが導入当時はさらに高価すぎてこのシステムに落ち着きましたが、ROIを使用できる4K伝送を考えるとHDMI光のロングケーブルの導入も視野に入れるようになりました。実際ライブハウスで使用する場合はカメラから手元のA-PRO-1まで15mのケーブルを使用していますが問題なく使用できています。
 
ATV: 
ちなみに、A-PRO-1を挟むことによる遅延は、メイン側・サブ側、共に1フレーム位なのですが、A-PRO-1の入力端子がHDMIなので、SDI(12G)からHDMIにコンバーターで変換すると遅延が気になるレベルに増大するということがあります。なので、今後は光で1本にした方が良いかもしれないですね。
 
近藤様:
今後のイメージは、ひとことで言えば「(A-PRO-1を)増やしたい!」ということです。2台16シーン!
そして、16シーンと言いながらも、実はそれ以上のバリエーションが出せる。そこには「夢と希望」が詰まっていると思います!
これからもどんどん使って勉強して、より良い映像になるようにしていきたいと思います!!
 
更に、コロナ禍になって、うちのお客様のミュージシャンで配信をやりたいという方々が、沢山相談に来ます。
こういった方々は、本人+マネージャーの2人で動いている場合が多く、今まではマネージャー・ワンオペでドタバタしていたのが、この間ROIを見せたら、「もうこれしかない!」といった反応でした。
また、日頃からお世話になっているライブハウスのスタッフに見て貰ったら、これ使えるね!という反応で、早速導入いただけました。
今の状況に適った良い製品と機能だと思いますので、今後店頭でも動作を見せられるような展示をしたいと思っています。
 
ATV:
本日はありがとうございました!


※ 事例内容は、2021年12月時点での情報です。
※ 文中記載の会社名、製品名などは、各社の登録商標または商標です。
【お客様情報】みどり楽器 様 https://www.midorigakki.com/

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