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crotchet / cafe 様 A-PRO-1 Ver.2 導入事例

用途:A-PRO-1 Ver.2 ROI(Region of Interest)機能を使用してイベント配信を演出

施設のニーズにベストマッチ!シンプルな機材構成で、充実した映像配信を

"crotchet / cafe" 様は、東京都杉並区に2021年の秋にオープンした「音楽であつまる、あそぶ」をコンセプトとしたカフェ/イベントスペースです。
2フロアあり、1階はカフェを兼ねた雰囲気の良い多目的スペース、地下は本格的なバンドのリハーサル・ライブ・収録・配信も出来る防音完備のイベントスペースになっています。
ビルオーナーである 株式会社qnote 様は、ソフトウェアやゲームなどの開発をされているIT企業ですが、社長様をはじめとして音楽系のスタッフが多数おられ、かねてよりの夢を実現されたとのこと。
ATVとは、オープンに際して地下のイベントスペースにATVの電子ドラム「aDrums Expanded Set」をご導入いただいたことをきっかけにお付き合いさせていただいています。
これらのスペースで様々なイベントを行ってライブ配信も行っていきたいとのお話を聞き、映像製品の「A-PRO-1」をご紹介し、様々なトライアルを経てご導入いただきました。
今回取材にお伺いさせていただき、社長の鶴田様、映像&配信担当の横山様を始め、スタッフの皆様に色々なお話を伺うことが出来ました。
 
※鶴田社長(左)と横山様(右)
 
■crotchet / cafe のご紹介をお願いいたします。
 
スタッフ様:
crotchetは1階(カフェスペース)がアコースティックライブを始めとした小規模ライブに対応したvenue(開催地・会場)です。イベントは音楽に限らず、今後はアパレルの展示会とか、各種セミナー、トークショーの会場としても使っていきたいと思っています。軸になるのが「音楽」でありつつも、それに囚われずに、面白いと思ったイベントをどんどんこのカフェスペースを使って展開していきたいと考えています。
 

それから、目玉のひとつとして掲げているのが、「ギターのエフェクターが試奏出来るカフェ」ということです。
通常の楽器店には置いていないような、個人ビルダーが作っているエフェクターを各地から多数取り寄せ、置いてあります。こういったものは、通常はweb通販で買うことが多く、実際に試せる機会がなかなかありません。
そのような珍しいエフェクターを、店内にギターとアンプを常備しているので、お客様に実際にお試しいただいて、ご購入の際はビルダーにお客様をご紹介が可能です。
 

また、Wifi環境が整っているので、ノマドワークとしてコーヒーを飲みながらお仕事される方も集まってこられます。音楽を軸としていることや、楽器を店内に沢山飾っていることもあり、音楽関係者が多いですね。
 
但し、従業員の中に現役のモデルがいたり、お客様にデザイナー・アーティストの方がおられたりするので、店内に絵画・ポスター等を展示していたりと決して音楽系だけではありません。
そういう多ジャンルの方々が集まる  「イベントがない日でも楽しいカルチャー・ハブ・ステーション」 として機能させていきたいと考えています。
一方、飲食も決してお飾りではなく、しっかりとつくり込んだレシピによる美味しい食事やこだわりのクラフトビールをご提供して、「食事を目的に来られても良い」という場所にしていきたいと思っています。
 

ATV:
ATVは、映像機器もやっていますが、電子楽器メーカーという側面もあります。
crotchet様の地下スペースにATVの電子ドラムをご導入いただいたことをきっかけにお付き合いを始めさせていただきました。大きな音を出すときは地下、ということですね?

スタッフ様:
そうです。いわゆるドラムを擁した本格的なバンドサウンドに対応しているのは地下になります。
しっかりと防音施工をしてあるので、ゴリゴリのハードロックバンドとか、そういった大音量のバンドサウンドを演る時は、地下を使っていただきます。観客もオールスタンディングで50名は入るので、今は配信や収録主体に使っていますが、将来的には、有観客のライブハウスとしても機能させていきたいと考えています。
また、エフェクターメーカーのセミナーも今後予定しています。

1Fも地下もプロジェクター設備があり、壁がスクリーンがわりになりますので、セミナー用途にも良いですよ。ルーメンが高めなので会場を暗くしなくてもよく見えるようにしています。
それから、イベントがない日はリハ・スタとして営業しているので、「aDrums」を演奏することも出来ますよ!
 


ATV:
ところで、ビルオーナーのqnote様は、ソフトウェアやゲーム開発等のIT企業でいらっしゃいますが、オフィスに猫が沢山居るという非常に個性的な企業ですね。
 
スタッフ様:
そうです(笑)
社長が猫を愛していて、カフェにはいませんが、qnoteのオフィスには沢山の猫がいて、地下のスペースを、定期的に「保護猫譲渡」の会場として主催者に無償提供しています。
音楽スペースが時には保護猫譲渡の会場にもなるという、地下に関しても型にはまらないような展開の仕方をしています。
■ATV:
いよいよA-PRO-1も本格稼働がはじまっていますね。それまでの経緯と実際どのように使われているのかを教えてください。
 
※A-PRO-1とは・・・
  • ・HDMI 2入力 2出力のAVミキサー
  • ・メイン入力側は低遅延(数ライン)での処理が可能
  • ・サブ入力側はフレームレート変換が可能
  • ・全入出力にアップ/ダウンコンバーターを内蔵(4K/HDの混在が可能)
  • ・ROI(Region of Interest)切り出しに対応
      1台の4Kカメラ映像から任意の場所を4箇所切り出し、ズーム、パン、チルト、カットでの切り替えが可能。メイン/サブの2つの入力を別々にコントロールし、8カットの映像演出が可能。

  製品詳細:http://www.atvcorporation.com/products/videos/a-pro-1/
スタッフ様:
最初はブラックマジックのATEMというスイッチャーを導入し、それに複数のカメラを接続したシンプルな機器構成から始めました。比較的安価なカメラを使っていたので画質に不満が出て、カメラを一眼ミラーレスにグレードアップしましたが、その時に配信映像を見ていただいた知り合いの映画監督から、画角のアドバイスを様々いただいて、もっとこんなカット、例えば、ヒキの画だけではなくて、ギタリストがソロを弾いていたらその手元や、歌い手が歌っている時に顔にズームしたりとか、そういったもっと面白い画を撮った方が映像としての完成度が上がるのではないか、と助言をいただいて、カメラの台数を増やしたり、更に地下にクレーンまで自作して設置したりと色々と準備したのですが、地下よりもこの1Fでやりたいという声が多くて、スペース的に狭くかつ有観客となってくると、お客様がライブに集中出来なくなることを考えると、多数のカメラやクレーンをお客様の間に置くわけにはいきません。
そのような中で、A-PRO-1の「ROI機能」 が魅力的だったのは、4K画質で押さえることによって、その中から4か所の任意の画角を切り出し、1台のカメラで4カメ分に使用出来るところで、凄くニーズがマッチしたように思えました。
 
※ROI Region of Interest)の活用例
 
4K映像から切り出した各カットはHD画質。配信には充分!
 

スタッフ様:
今日はカメラ3台を置いて、そのうちの2台をA-PRO-1のROI機能で8カメ分の画角を切り出して使うのですが、従来であれば8カメ分の画角をつくろうと思ったら8台のカメラを設置することになります。
そうすると、うちは飲食提供もやるので、導線を確保するのが凄く大変になるんですよ。今のスイッチャーにも8(+1)の入力はないですし。
ですから、この2台のカメラを8カメ分として使えるというのが1Fでのイベントではベストなのです。
また、今までは、天井から吊った固定カメラは、一度決めた画角がベストでなくなってしまった時の画角調整が現実的に出来ません。でも、A-PRO-1のROIを使えば、リモートで調整出来ます。
実際にA-PRO-1を試させていただいて、4Kから切り出してもフルHDの画質で、今の配信には充分な画質ですし、4K配信となると回線速度の問題が出たり、受け手側がむしろ対応出来ないことが多いので、フルHD出力は凄く理にかなっていると思います。
 
あとは「STREAM DECK」ですね。A-PRO-1との親和性が凄く高いです。うちの配信担当が数日でマスター出来る位、シンプルな操作感でした。こういった新しい機材というのは習得するのに時間がかかるイメージがあったのですが、すぐに使えたということは、ユーザーインターフェースが優れているということなんでしょうね。
 

ATV:
STREAM DECKは、各ボタンに好きな機能を簡単に割り当てられるのみならず、アイコンや文字表示を好きなように変えられるのも良いですね。弊社でも現場をやりますが、セッティング~リハの中で、A-PRO-1のROIで切り出した各画角の内容がトライ&エラーで次々と変わっていきます。
小さいメモを紙に書いて貼る従来方式では面倒なので、この点も非常に実用的です。ATVの製品ではありませんが、良い製品ですね。ROIの操作は、一番最初はPCアプリ上でのクリック式、次にPCキーボード式、と進んできたのですが、正直なところ実用性がまだまだで、価格含めて何か良いコントローラーはないものか、と思っていたところに、お客様からのご提案をきっかけに対応した次第です。
 
スタッフ様:
スタンドまで一体型で、ボタンを押しても安定している。操作感も良いです。
 
■今日の機器接続図
※現場の様子
■A-PRO-1を使うにあたり、何か乗り越えた点や、工夫した点があれば、教えてください
 
スタッフ様:
始めに画がモニターに映らないということが1回ありましたが、これはフレームレートの設定で解決しました。
 
ATV:
例えば、他のお客様からよく聞くお話ですが、4Kの画面から切り出す際のピント問題。ピントのターゲットがシビアだと、それ以外の部分を切り出した時にぼやけた画になる。これはいかがでしょう?
 
スタッフ様:
それもありました。所謂一眼のボケ感というのは使わずに、クリアにフラットに押さえることが必要ですね。
最近の一眼は逆にボケ味を魅力にしているのが多いですもんね。
 
ATV:
先ずは、切り出すために完璧なヒキの画を要求されます。従来のビデオ撮影とは違うノウハウがあるということです。ボケ味とかそういった世界とは全く違います。ROIを使う場合は従来の考え方を変える、ということを伝えていきたいと思っています。ボケ味素材はROIを経由せずにメインスイッチャーに入れて、映像にバリエーションの幅を持たせる、というのが良いと思います。
 
スタッフ様:
それから別の話ですが、会場の最後部に設置したカメラが "全体的に" ピントが合わないことがありました。近いカメラは問題ないのですが、この距離のカメラだけどうしても合いませんでした。
お客様にプロのカメラマンの方がいるので見ていただき、絞りや明るさ等の設定を直していただいたら10分で解決しました。このカメラの場合は、フォトモードで合わせてその設定が動画でも使われるような機種だったので、カメラを使いこなせていなかったのでしょうね。但し100%ではないようで、この先は「レンズ」だね、とのことでした。
 
ATV:
そういった方がおられるのはラッキーですね。そしてノウハウを蓄積すればカメラを使いこなせるようになりますね。レンズも深い世界ですね。
 
■現在A-PRO-1をご検討中の方へのメッセージがありましたらお願いいたします。
 

スタッフ様:
昔だったら大規模な機材が必要だったのですが、こんなに小さいサイズ感で再現出来るので、配信主のような個人用途にも凄く使えると思います。それこそ、自分が喋りながら操作するようなシチュエーションなんかいいでしょうね。うちは店としてこれを導入して、アーティストさんにサービスを提供するということをやっているのですが、
もしかしたら、アマチュアバンドがリハスタに持ち込んで仲間内で操作して配信や収録するというのもあるのではないかと思います。
 
ATV:
そうですね。値段的にもA-PRO-1とSTREAM DECK で10数万円位。個人の方にも可能な価格帯と思います。
 
■今後の活用イメージなどを教えてください。
 
スタッフ様:
今は、リアルタイムでスイッチングして生配信をするということをやっていますが、将来的には、それと同時に各カメラの元素材をそれぞれ記録しておき、後日改めて編集し、よりブラッシュアップした作品として納品するといったサービスもイメージしています。
音声の方では既に各楽器毎の音の記録が出来ているのですが、映像に関してもリアルタイムスイッチングだけではなくて、各カメラの元素材を押さえて、それを後ほどより精密に編集するということを考えています。
 
ATV:
ATEM Mini Pro ISOというスイッチャーはスイッチング結果と共に、元映像も同時に記録出来るらしいですね。但しROIを働かせたチャンネルはその範囲のスイッチング結果が「元映像」になりますが。
 
スタッフ様:
そうですね。でも一つ問題点があって、このスイッチャーにはUSB端子が1つしかない。配信ではこの端子は配信用PC(OBS)に繋ぐので空いておらず、その機能が現状は出来ない状態ということがあります。
ただ、このスイッチャーについては、PCレスで配信が出来ることを売りにしているので、本体からイーサネットで直接配信すれば、同時収録は出来ますね。
ただ、弊社ではOBSを配信の核として使っているので、その機能は使っていないというのが現状です。
ちなみに、A-PRO-1 の出力は、入力した2カメそれぞれの別出力が出来るのですよね?
 
ATV:
出来ます。SUB OUT の設定をSUB IN入力からの固定にすれば、MAIN / SUB それぞれの別出力が出来ます。
 
スタッフ様:
そうすれば、2系統の映像をスイッチャーに送れるので、それらを別々に収録してそれぞれの素材を押さえることは可能と思っています。
 
ATV:
今後も楽しみですね!また色々なアイデアがありましたら教えてください。本日はありがとうございました!!
※ 事例内容は、2021年12月時点での情報です。
※ 文中記載の会社名、製品名などは、各社の登録商標または商標です。
【お客様情報】crotchet / cafe https://crotchet.cafe/

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